鏡の前で何気なく髪をかきあげたら、生え際や前髪に白髪がびっしり！なんて経験がある人、けっこう多いのではないでしょうか？たまに１、2本白髪が出るぐらいでそれほど気にしていなかったのに、まとまった白髪が見つかると驚いてしまいますよね。
もしかして何か病気かもしれない？
そんな心配も出てくるでしょう。しかし、生え際や前髪にまとまって白髪が生えるのは病気とは限りません。なんらかの原因があり、それがわかれば対策を講じて予防・改善することは可能です。この記事では、そんな生え際や前髪に生える白髪の原因と対策について詳しくお伝えします。
恥ずかしいから今すぐ隠したい！という人のために、ピッタリの毛染めや白髪隠しもご紹介しましょう！
生え際や前髪に白髪がいっぱい！どうしたらいい？
白髪を見つけると老化が原因と思いがちですが、片寄った場所に集中しているのは、体のどこかに異常があるサインかもしれません。生え際や前髪だけに集中している白髪がどのような原因で生えるのか知ることによって、気がつかなかった体の不調に気づくことができることも。白髪があると嘆く前に、その原因を確かめましょう。
髪全体の白髪をチェック
そもそも生え際や前髪は見つけやすい場所。本当にそこだけに生えているのか、髪全体にも生えていないかをチェックしてみてください。そうした結果、生え際や前髪だけに白髪が集中しているようなら、その原因と対策について取り組むようにしましょう。
白髪が生える場所には意味があるの？
髪全体ではなく部分的に白髪が集中していると「何か病気なんじゃないか」って心配になることもあると思います。ネットで調べると、右側や左側など白髪が集中して生えるのは「体のどこかが不調だったり、病気の可能性がある」と書いてあったりもします。確かに病気が原因で白髪が生える場合もありますが、一部に集中して白髪が生える病気というのは聞いたことがなく、あまり根拠がありません。ただし、実際に体に不調がある場合には病気の可能性もあります。その場合は早めに病院で診てもらうようにしましょう。
それでは、生え際や前髪など前頭部だけに白髪が集中してしまう場合は、どのような原因があるのでしょうか？次の項目で、考えられる5つの原因について詳しくお伝えしましょう。
生え際や前髪に白髪が増える5つの原因
ここで簡単に、白髪が生えるメカニズムについてお伝えしましょう。白髪は髪の色が落ちることで白くなると思っている人もいるのではないでしょうか？それは間違いで、髪はもともと黒いわけではありません。メラノサイトという細胞が髪に黒い色をつけるメラニン色素を作り出して毛母細胞に与えることによって、髪に色が付けられているのです。肌には困る存在のメラニン色素ですが、髪にとっては大切なものというわけですね。
白髪ができてしまうのは、このメラノサイトが何らかの原因で衰えたり、なくなってしまったりするから。老化が大きな原因のひとつには違いありませんが、それだけではないのです。
眼精疲労
生え際や前髪に白髪が集中する原因には、眼精疲労が考えられます。目を酷使しているとおでこの上にある前頭筋や目の周りにある神経や筋肉が緊張し、血管の収縮を引き起こします。それは肩や首、前頭部の血流が滞る原因になるもの。頭皮の血行も悪くなり、生え際や前髪に白髪が生えやすくなるのです。
生え際や前髪に白髪がある人は、目の疲れや肩こりなどの症状も起きてないでしょうか？もし自覚があれば、眼精疲労が大きな原因と言えるでしょう。眼精疲労が長く続くと、眉毛にも白髪が出てくるとされています。そうなる前に対処したものですね。
パソコンやスマホの見過ぎに注意
現代は仕事でパソコンを使うことが多く、スマホを見る時間も増えています。スマホを見ない日はないという人も多いはず。今や生活の中で不可欠になっているパソコンやスマホですが、自分が思っている以上に目を酷使しているということも知っておきましょう。なるべくパソコンやスマホを見る時間を少なめにして、一定時間見たら少し目を休ませるなどの工夫が必要です。
ストレス
ストレスが溜まると自律神経の交感神経が優位になり、体が緊張状態になります。これにより血流が悪くなり、頭皮の血行が悪くなる原因になります。特に脳の前頭部は思考やコミュニケーションに多く使われる場所。人間関係などで頭を悩ませていると、生え際や前髪に影響が出てしまいます。
血行不良
女性は冷え性など、体全体の血行が悪い人が多い傾向があります。血行不良は頭皮にも影響し、十分な酸素や栄養が行き渡らずにメラノサイトや毛母細胞にダメージを与えるもの。髪全体の白髪の原因になりますが、眼精疲労などが重なることで、生え際や前髪に白髪が集中することも考えられます。
紫外線によるダメージ
頭は一番紫外線にさらされやすい場所です。お肌の紫外線対策はしても、髪までは気が回らないという人も多いのではないでしょうか？しかし、紫外線は白髪の大きな原因のひとつです。紫外線による刺激で活性酸素が大量に発生し、メラノサイトの老化を招くことに。前頭部は特に太陽にさらされやすい場所なので、白髪が集中する原因にもなります。
活性酸素の影響
活性酸素はもともと、強い殺菌力で外から侵入する細菌やウイルスを撃退するという役割をしています。このように体にとって有益な働きをする活性酸素ですが、ストレスや紫外線などの影響で大量に発生すると一転して有害な存在に。正常な細胞まで攻撃をして酸化させ、老化の原因になってしまうのです。
シャンプーや化粧品の影響
生え際は、シャンプーのすすぎ残しや化粧品の落とし忘れが起こりやすい場所です。シャンプーや化粧品に含まれる界面活性剤や保存料などの添加物が細胞に蓄積することで、メラノサイトや毛母細胞に影響を与え、機能を弱めてしまう可能性があります。
スタイリング剤の使い過ぎにも注意
スタイリング剤にも要注意です。使い過ぎや不十分な洗浄で肌に残ることで、メラノサイトや毛母細胞にダメージを与える可能性があります。使い過ぎに注意して、その日のうちにシャンプーをしてしっかり落とすようにしましょう。
アレルギー
ヘアピンやヘアクリップなどを使っていると、人によっては金属アレルギーを起こす場合があります。アレルギーにより頭皮が刺激やダメージを受けることで、白髪を引き起こす原因にもなるでしょう。
ホルモンの異常や腸の不調も？
東洋医学によると前頭部にはホルモンや腸のツボがあり、それらの不調が原因で白髪になると言われています。ホルモンバランスが乱れていたり、便秘などの腸の不調がないか確かめましょう。それらの問題がある場合は、まずその改善が必要です。体調が整うことで、白髪も解消してくる可能性もあります。
生え際や前髪で目立つ白髪を隠す3つの方法
生え際や前髪に白髪が増える原因はわかったけれど、「ともかく今すぐに目立たなくしたい」というのが正直な気持ちでしょう。白髪はとても老けて見られるもの。できるだけ人目に触れたくありません。白髪の改善策はとるにしても、まずは白髪を隠す対策を練りましょう。
①部分染め
白髪を隠すには、市販の白髪染めを使うのが一番手っ取り早い方法です。生え際や前髪など一部の白髪を隠すには、部分染めで十分。隠したい場所だけ部分染めしましょう。
２剤式の白髪染めは一度でしっかり染まり、長持ちするというメリットがあります。クリームや泡など、部分染めに便利なタイプもあります。
しかし、化学物質が使われているので髪や頭皮に負担が大きく、白髪の原因であるメラノサイトや毛母細胞のダメージを招くことにもなります。白髪を隠すためにますます白髪の原因を作ることになり、あまりおすすめできる方法ではありません。
頭皮のためにはヘアカラートリートメント
頭皮の影響を考えたら、髪と頭皮に優しいヘアカラートリートメントがおすすめです。トリートメント感覚で白髪染めができるので、頭皮にダメージを与えず、白髪の原因を作りません。
ただし、ヘアカラートリートメントは髪の表面を着色することで染めるもので、一度ではしっかり染まらないもの。着色して白髪が隠れるまでに数回行うことが必要になります。白髪染めに比べて手間はかかりますが、頭皮に刺激のある成分が含まれていないので、安心して使うことができます。
美容室とどう違う？
美容室はプロが染めてくれるので、綺麗な仕上がりになるというメリットがあります。何より自分は何もせずくつろいでいられるのはありがたいもの。色もちが良く、染めた後のメンテナンスも楽です。薬剤も頭皮への刺激が少ないものを選んでもらうことができます。しかし、美容院は値段が高いというのが最大のデメリット。生え際や前髪を染めるためだけに美容院に行くのはもったいない気がしますね。また、美容院は通いや待ち時間も含めると、けっこう時間がとられてしまいます。
②白髪隠し
白髪が生え際や前髪の一部であれば、白髪隠しを使うことで簡単に隠すことができます。シャンプーすると落ちてしまうので、毎回塗るという手間はありますが、部分的に白髪の部分だけに塗ればいいので、頭皮に与える影響もほとんどありません。肌が弱い、アレルギーがあるという人でも簡単に白髪を隠すことができるので、とても便利です。
生え際だけ今すぐ隠したいならコレ！
今すぐ白髪を隠したいときに使える白髪隠しは、白髪の範囲によっていくつかのタイプがあります。
・スティックタイプ
ブラシやリップクリームのような形状で白髪に塗るタイプです。比較的広範囲に塗ることができ、根元から白髪を隠すことができます。
・マスカラタイプ
まつ毛用のマスカラに似た形状で、少ない範囲の白髪隠しに向いています。白髪の一本一本にしっかりと塗って、目立つ部分を隠すことができます。しっかり隠すことはできるものの、広範囲に塗るには時間がかかり、あまり向いていません。
・ファンデーションタイプ
顔に使うファンデーションのように、スポンジやパフにつけて塗るタイプです。広範囲の白髪を隠すのに効果的です。ただしパウダー状のものが多いので、他のタイプに比べて色の持ちが悪いという欠点があります。
③髪型を変える
完全に隠す方法ではありませんが、髪型を変えることで白髪を目立たなくすることができます。白髪染めが使えない、使いたくないという人は、髪型を工夫して白髪をカモフラージュしてしまいましょう。
前髪を下ろす
頭頂部に近い部分から前髪を下ろし、生え際や分け目を見せないスタイルにします。ふんわりとさせることで、より白髪が目立ちにくくなるでしょう。
前髪を流す
前髪の白髪がある部分を隠すように、前髪を流すスタイルにします。ブラシでいろいろ流しながら、隠れるポイントを見つけてみましょう。うまく隠れたら、適度にスタイリング剤で固定させます。
ゆるめのウェーブをつける
ゆるめのウェーブをつけて全体のボリュームを出すと、白髪が目立たなくすることができます。髪が長い場合にはゆるくまとめ髪にするのも白髪が目立たなくなり、おすすめです。
生え際の白髪を改善する8つの習慣
白髪を隠す方法がわかったら、ひとまずは安心ですね。このあとは、白髪そのものの改善に取り組みましょう。普段の生活を少し変えていくだけで白髪の原因を取り除き、予防・改善を図ることが可能です。
それではさっそく、生え際や前髪の白髪を改善する方法を8つ、ご紹介します。少し時間はかかりますが、毎日の習慣にすることで少しでも白髪を予防・改善することが期待できるでしょう。
目をいたわる
目を酷使しているという自覚がある人は、目をいたわる習慣を身につけましょう。パソコンを使う仕事であれば、1時間ごとに画面から離れて遠くを見たり、緑を眺めたりしてみてください。スマホも見る時間を決めて、ずっと眺めていることのないようにしたいですね。
目を動かす運動や、目の周りを指圧するのも効果的です。目を温めるグッズもあるので、それらも利用して目の筋肉をほぐしてあげましょう。
目や髪にいい栄養を摂る
白髪の予防・改善には栄養がとても大切です。メラノサイトがメラニン色素を作る材料は、アミノ酸のチロシン。もともと透明なチロシンが、メラノサイトの働きで黒いメラニン色素に変化します。チロシンをしっかり摂ることが、白髪の予防・改善につながるのです。チロシンがメラニンに変化する過程で必要になるのが、チロシナーゼという酵素です。その酵素の働きに、銅をはじめとするミネラルが必要になります。
目の疲れが自覚できる人は、目にいい栄養も摂るようにしましょう。目にいいビタミンは目の細胞膜の酸化を抑えるビタミンACE、そしてビタミンB群です。特にB1とB12は視神経の活動を高める働きがある成分。これらビタミンを、バランスよく摂るように心がけましょう。
以下に、多く含む食べ物をご紹介します。
- チロシン：乳製品、大豆製品、魚介類、ナッツ類、果物
- 銅：納豆、ゴボウ、サツマイモ、エビ、カニ、プルーンなど
- ビタミンA：人参、ほうれん草、春菊、小松菜、ピーマン、うなぎなど
- ビタミンC：レモン、いちご、赤ピーマン、じゃがいもなど
- ビタミンE：ナッツ類、小麦胚芽、アボカドなど
- ビタミンB1：豚肉、レバー、うなぎ、大豆製品など
- ビタミンB12：レバー、牡蠣、しじみなど
現代人はミネラル不足
現代人はミネラル分が不足していると言われます。その理由のひとつが、野菜のミネラルが昔に比べて減っていること。農薬や化学肥料の使用が原因とされています。野菜でミネラルを少しでも多く摂る場合は、なるべく旬のものを選ぶようにするといいでしょう。
また、ミネラルの多くは食品添加物の影響で吸収が阻害されやすくなります。加工食品を多く食べていると、ミネラル不足になりやすいので、なるべく控えることをおすすめします。
生活習慣の改善
生活習慣の見直しも大切です。他の項目でも説明していますが、次の4点はしっかり心がけたいもの。
- バランスの良い栄養
- 早寝早起き
- リラックス
- タバコを控える
質の良い睡眠は、髪の成長を促す成長ホルモンの分泌を促します。メラノサイトの活性化のためには、早寝早起きで十分な睡眠をとるようにしましょう。ストレスを溜めないためにも、リラックスを心がけることは大切。お風呂にゆっくり入り、落ち着ける音楽を聴くなど、いろいろと工夫してみてください。
タバコが白髪になりやすい理由
喫煙者であれば、タバコが白髪の大きな原因かもしれません。タバコを吸っている人は、吸わない人に比べて４倍も白髪になるリスクがあるという報告があります。
タバコのニコチンは中枢神経を刺激して交感神経を優位にさせ、血管を収縮させます。頭皮の血行が悪くなる原因になるのです。さらに、タバコの煙に含まれている一酸化炭素は体を酸素不足の状態にして、頭皮に行き渡る酸素が不足することにもなるでしょう。また、有害物質を含むタバコは体に活性酸素を大量に発生させ、細胞を老化させる原因になるもの。タバコの煙は前頭部にさらされるので、生え際や前髪に白髪ができる要因にもなります。
体をよく動かす
血行不良の対策には体を動かすことが必要です。すぐに本格的な運動は無理でも、歩く距離を長くする、夜寝る前にストレッチをするなど、できることから始めてみましょう。動くことに慣れてくれば、運動量が増えて体も軽くなってくるはずです。運動することで、ストレスの解消にもつながります。自律神経が整うことで、さらに血行が促進されるでしょう。
紫外線対策
顔に日焼け止めを塗るだけで紫外線対策を行ったつもりでいるのは、白髪の原因になります。夏や日差しの強い日には、つばのある帽子や日傘をさすなどの紫外線対策を行いましょう。
シャンプーや化粧品、スタイリング剤の見直し
シャンプーのすすぎ残しや化粧品の落とし忘れには十分注意して、生え際にも意識を置くようにしましょう。商品の品質にも気を使いたいもの。シャンプーはアミノ酸系、化粧品もできるだけ肌に優しい無添加のものなど、頭皮にダメージのないものを選んでください。
スタイリング剤も髪や頭皮に優しい成分のものを選び、使い過ぎには注意しましょう。必要な時以外はなるべく使わず、使用したらその日のうちにしっかりシャンプーして落とすこともお忘れなく。
頭皮マッサージをする
頭皮マッサージをすることで、頭皮の血行を良くしてメラノサイトや毛母細胞を活性化させることができます。頭皮を触ってみて硬いようなら要注意。さっそくマッサージして血流を高めましょう。
前頭部のツボ押し
前頭部のツボを押すことも効果的です。ツボに対応する器官の活性化になり、頭皮の血行促進にもつながります。頭皮マッサージと合わせて行うことで、効果が倍増するでしょう。
前頭部のツボは2つ。場所と手順をご紹介します。
正営（しょうえい）
目線から垂直に上がり、生え際から約7.5㎝上の2ヶ所です。白髪や抜け毛の予防・改善に効果があるツボとされています。使うのは指の腹で、心地良い程度の強さで押します。1回3秒を5回繰り返すのが1セットで、1日に3セットぐらい行いましょう。
百会（ひゃくえ）
頭頂部にある、ややへこんでいる部分です。ホルモンバランスを整えるツボで、血行促進の効果もあるとされています。頭部の血行が良くなることで、白髪や抜け毛の予防・改善に効果が期待できます。正営と同じく指の腹で心地良いぐらいの強さで押しましょう。5秒押して5秒で離すを5回繰り返し、こちらも1日3セットぐらい行います。
まとめ
まとまった白髪を発見したら、本当に驚きますね。隠すために、ともかく白髪染めをと考えるかもしれません。しかしそこはちょっと待って、より良い方法を考えてみましょう。頭皮に良くないことをして、さらに白髪を増やすことにもなりかねません。白髪が生え際や前髪に生えてしまった原因は何なのか見極め、頭皮のケアも考えながら目立たなくする方法を考えましょう。今以上に増やさないためにも、生活習慣改善への取り組みもしっかり始めたいものですね。
