頭皮のかゆみが治らないと仕事に集中できなくて、困りますよね。人前でかいてしまったり、フケが出て恥ずかしい思いをすることもあります。放っておいたら髪の成長にも影響を与えて、抜け毛などの原因になってしまいます。
頭皮のかゆみを早く治すには、まず原因を知ることが大切。病気だったら、なおさら早い対策が必要になります。きちんと原因を知って、すぐにでも有効な改善策に取り組みましょう。
この記事では、頭皮のかゆみの原因や対策について詳しくお伝えし、少しでも早い改善に向けてお手伝いします!
目次
頭皮がかゆい場合は要注意!
頭皮にかゆみがあるということは、炎症が起きているというこということ。かゆいからと強くかいてしまうと、さらに炎症を広げて悪化させてしまうことになります。
悪化することで、フケや湿疹、抜け毛や薄毛などを引き起こすことにも。対策を立てることが必要ですが、そのためにはどうしてかゆみが出てしまうのか、原因を見つけることが大切です。
「思い当たることがない…」
そんな人のために、次の項目で頭皮がかゆくなる原因を詳しくご紹介します。
頭皮がかゆくなる5つの原因
頭皮がかゆくなるのは、なんらかの刺激によって炎症が起きているからです。とくに頭皮に対して刺激になりやすい原因を5つピックアップしました。日常生活で無意識に行なっていることが、かゆみの原因になっている場合もあります。この中に、なにか思い当たることはないでしょうか?
1.シャンプーの刺激
市販されているシャンプーの多くは、石油系合成界面活性剤を使っています。泡立ちが良く、価格も安いというのが特徴。しかし洗浄力が強く、頭皮の皮脂を取り過ぎるという難点があります。頭皮が乾燥して刺激を受けやすくなり、頭皮のかゆみを引き起こしやすくなるのです。
肌が弱い人はこのようなシャンプーは避け、肌に優しい弱酸性のアミノ酸系シャンプーを使うのがおすすめです。
洗い残しの場合も
シャンプー自体が刺激にならない場合でも、洗い残しがかゆみの原因になる場合もあります。すすぎが足りずに洗い残したシャンプーやコンディショナーが刺激になって、頭皮のかゆみに繋がってしまうのです。洗い残しは生え際や襟足に起こりやすく、その辺りがとくにかゆかったり湿疹が出ていたりする場合は、シャンプーの洗い残しの可能性が高いかもしれません。
2.パーマやカラーリングによるダメージ
パーマやヘアカラーは頭皮への刺激が強く、そのダメージで炎症が起きている可能性があります。肌が弱い人はもちろんですが、体調が悪いとき、頭皮が乾燥しているときにパーマやカラーリングを行うことでもダメージが起きやすくなります。かゆくなる直前にパーマやカラーリングをしていた場合は、それらが原因の可能性が高いでしょう。
3.汗や汚れ
汗や汚れが原因でかゆくなることはよくあります。シャンプーをあまりしていないときにはありがちなこと。しかし、シャンプーしていても洗い方が不十分だと、汚れが残ってかゆみの原因になる場合があります。とくに汗をよくかく季節は、しっかりと洗髪するようにしたいですね。
また、整髪料を使っているときに、それが十分洗い流せていない場合もかゆみの原因になります。2度洗いするなど、洗い残しのないように注意しましょう。
4.頭皮の乾燥
顔と同じく頭皮も乾燥すると、バリア機能が低くなり、少しの刺激でも炎症が起きやすくなります。冬は顔と同じく頭皮も乾燥しやいもの。顔と同じく保湿ケアが必要になります。
また、乾燥を感じるときは洗髪のし過ぎや、高い温度のお湯で洗っていないかもチェックしてみましょう。必要な皮脂まで洗い流されて乾燥している可能性があります。また、ドライヤーで熱風を当て過ぎるのも乾燥の原因になります。
5.皮脂の過剰
食べ物やストレスの影響で、皮脂が過剰になる場合があります。脂肪分の多い食事は皮脂の分泌を増やし、ストレスで多く分泌されるホルモンは皮脂の過剰分泌を促すものです。
過剰な皮脂は頭皮の毛穴が詰まらせ、トラブルを起こしてかゆみを引き起こすことに。余分な皮脂は酸化することで刺激物質に変化し、炎症を起こしやすくもなるでしょう。
雑菌が繁殖する原因にも
毛穴に詰まった皮脂は雑菌が繁殖しやすく、頭皮湿疹を引き起こす可能性が高いもの。かゆみがひどくなったりフケがたくさん出てきた場合は放置せずに、早めに病院を受診しましょう。
紫外線によるダメージ
頭皮は一番紫外線を受ける場所です。顔の紫外線対策はしても、頭皮のケアまではしていない人も多いでしょう。紫外線に強くさらされることで頭皮がダメージを受け、かゆみを引き起こす原因になります。紫外線は頭皮のかゆみだけでなく、活性酸素を発生させて毛母細胞を老化に導くもの。抜け毛や薄毛の原因にもなってしまいます。
頭皮のかゆみは病気の可能性もあり
頭皮のかゆみは単なる炎症ではなく、頭皮湿疹を発症している可能性もあります。頭皮湿疹で考えられるのは主に脂漏性皮膚炎とアトピー性皮膚炎の2つ。放置していると悪化させ、抜け毛や薄毛の原因にもなります。治療が必要になるものなので、早めに病院で診てもらうことが必要です。
脂漏性皮膚炎
過剰な皮脂が毛穴に詰まり、マラセチア菌という常在菌がそこに繁殖することで起こる皮膚炎です。マラセチア菌が皮脂を遊離脂肪酸に分解することでそれが刺激とになり、炎症が起こるもの。強い頭皮のかゆみやフケが目立つのが特徴で、皮脂が酸化して強い匂いが発生する場合もあります。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎はもともとアレルギーを起こしやすい体質であったり、皮膚のバリア機能が弱い人に起こりやすい皮膚炎です。なんらかのきっかけで頭皮に炎症を起こして強いかゆみを感じたりしますが、頭皮のみの症状ではなく、顔や体にも症状が出ることがほとんどです。
かゆみ対策の6つの方法
かゆみの原因がわかったら、早めに対策を講じましょう。5つの原因に当てはまる、6つの対策をご紹介します。パーマやカラーリングが原因の場合は、しばらく施術は控えてください。ヘアカラーには「ヘナ」など、刺激のない製品もあります。それらを試すのもいいでしょう。
原因はどれはひとつだけとは限りません。シャンプーの刺激が強く、洗い残しもあるなど複合的な場合もあります。考えられるいくつかの原因に対応する対策を試してみてください。
1.正しいシャンプー選び
今使っているシャンプーは刺激が強いと感じている場合は、穏やかな洗浄力のシャンプーに切り替えましょう。逆に、洗浄力不足でかゆみが出ていると感じる人や、皮脂の多い体質の人、整髪料を毎日使用している人などは、高い洗浄力のものを選んでください。
シャンプーの特徴をそれぞれご紹介します。
アミノ酸系のシャンプー
タンパク質を構成するアミノ酸で作られたシャンプーで、健康な髪と同じ弱酸性です。穏やかな洗浄力で、必要な皮脂を取り過ぎることなく、頭皮の乾燥を防ぐことができます。アミノ酸が髪に浸透することで髪を潤し、洗い上がりがしっとり滑らかなのが特徴。敏感肌の人、肌が乾燥しやすい人は、こちらのシャンプーがおすすめです。
どれがアミノ酸系シャンプーかわからないときは成分表示を見て、次のような成分が記載されているものを選びましょう。アミノ酸系シャンプーは高級アルコール系シャンプーに比べて、価格が高い傾向があります。
アミノ酸系シャンプーの成分表示:ヤシ油脂肪酸、ココイルグリシンK、ココイルグルタミン酸、ラウロイルグルタミン酸、グルタミン酸TEAなど
石鹸系シャンプー
石鹸系シャンプーはシンプルな素材で、洗浄力が強いのが特徴。毛穴汚れをしっかり落とせるので、皮脂の分泌が多い人に最適です。刺激はないものの皮脂を取り過ぎる傾向があり、肌が弱い人、乾燥しやすい人には不向きです。弱アルカリ性なので髪がきしみやすく、弱酸性のリンスで中和する必要があります。石鹸カスが残りやすいのがデメリット。すすぎは念入りに行う必要があります。
石鹸シャンプーには、成分表示に次のような記載があります。価格は比較的安価なものが多いでしょう。
石鹸シャンプーの成分表示:石けん素地、脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウムなど
高級アルコール系シャンプー
石油系の合成界面活性剤が原料で、泡立ちや洗浄力に優れ、価格が安いという特徴があります。スーパーやドラックストアで見かける安いシャンプーのほとんどは高級アルコール系シャンプーです。
洗浄力が強いので、皮脂の分泌が多く髪がべたつきやすい人や、整髪料を使う人におすすめ。逆に、肌が弱い人、乾燥しやすい人には刺激が強く、皮脂を取り過ぎてしまうため頭皮にかゆみが出る原因になりやすいものです。
次のような成分の記載があるものは、高級アルコール系シャンプーになります。
高級アルコール系シャンプーの成分表示:ラウレス硫酸Na、ラウレス硫酸アンモニウムなど
2.正しい洗い方
頭皮のかゆみを予防する洗い方のポイントは、毛穴汚れをきちんと落とし、すすぎをしっかり行うこと。正しい洗い方の手順をご紹介しましょう。
- ぬるま湯(38度程度)を使うこと
- お湯で頭皮と髪が十分濡れるぐらいに洗い流す
- 流しながら頭皮をマッサージすると皮脂が浮かびやすい
- 洗面器で少量のお湯にシャンプーを溶かすか、手のひらで泡立てる
- 指の腹でゆっくりマッサージしながら洗う(爪は立てないこと)
- すすぎはシャワーでしっかり行うこと
- 頭皮に指を入れて洗い流し、うなじや生え際も手を使ってしっかり洗い流す
- 耳の周りも洗い残しをしやすいので、手を添えてしっかり洗い流すこと
洗髪は1日に1回で十分です。それ以上行うのは乾燥の原因になるでしょう。整髪料を使っているなどの場合以外は、2度洗いも不要。最初にぬるま湯で髪を流す段階で汚れは8割がた落ちるとされています。
自然乾燥は避けよう
タオルドライしたあとは、ドライヤーでしっかり乾かします。このとき、自然乾燥するのは避けてください。頭皮が濡れた状態が続くと雑菌が繁殖してかゆみの原因になります。半乾きのまま寝てしまうのはなおさらNGです。濡れた髪はキューティクルが開いたままになるので、髪が傷む原因にもなります。必ずドライヤーで乾かしてください。ただし乾かし過ぎは頭皮が乾燥しやすくなるので、注意しましょう。
3.頭皮の保湿
頭皮の乾燥が原因でかゆみがある場合は、まずシャンプーの見直しから。頭皮に優しい穏やかなアミノ酸系シャンプーを使いましょう。さらにシャンプー前のオイルケアをすることで、乾燥を防ぐことができます。椿油やアルガンオイルなど、皮脂になじんで美髪効果も期待できるオイルがおすすめ。シャンプーの10分ぐらい前にティースプーン1杯ほどのオイルを頭皮に塗り込んでマッサージしましょう。乾燥を防ぐだけでなく、オイルが余分な皮脂を浮かして毛穴汚れを落としやすくしてくれます。
頭皮用の美容液も販売されているので、乾燥が強い場合は合わせて利用するのもおすすめです。
4.栄養バランス
過剰な皮脂が原因でかゆみが出る場合は、食生活の見直しをしてみましょう。まずは、皮脂の過剰分泌の原因になる脂肪分を減らすこと。その上で、皮脂のバランスを整える栄養をタップリ摂るようにしたいですね。皮脂の分泌をコントロールする栄養素は、ビタミンB群です。中でもビタミンB2は脂質を代謝し、皮膚の再生を助ける働きがあるもの。ビタミンB6は肌のターンオーバーや皮脂の分泌をコントロールする作用があり、皮膚や粘膜を強くする働きもあります。これらを含む食材を多く摂ることで皮脂のバランスを整え、頭皮のかゆみを抑える効果が期待できるでしょう。
<多く含む食材>
- ビタミンB2:鶏肉、レバー、納豆、卵など
- ビタミンB6:カボチャやシソなど緑黄色野菜、マグロ、サンマ、カツオなどの魚類、バナナなど
5.ストレス解消
過度なストレスは、ストレスに対抗するホルモンのコルチゾールを分泌しますが、これは男性ホルモンを刺激して皮脂の過剰分泌を促すもの。ニキビができる原因とも言われています。頭皮の皮脂も過剰になることで、かゆみを引き起こしてしまうのです。
過剰な皮脂が毛穴に詰まってかゆみが悪化する前に、根本原因であるストレス解消を図りましょう。社会生活の中でストレスをまったくなくすのは不可能に近いですが、少しの工夫で和らげることは十分できます。簡単にできることから始めてみましょう。
- アロマを炊くなど、いい香りに包まれる
- ゆっくりお風呂に入る
- 休日に森林浴に出かける
- 寝る前に心地良い音楽を聴く
とくに体を動かすことはいい発散になり、体も心もリフレッシュします。一駅前で降りて歩くなど、簡単にできる運動を取り入れてみてはいかがでしょう?
睡眠も大切
ストレスのたまった体は自律神経の交感神経が優位になって、緊張した状態にあります。このような状態のときは、睡眠もよくとれていないはず。逆に質の良い睡眠をとることが、ストレスの解消につながります。
よく眠るための工夫をしてみましょう。寝る前はスマホやパソコンを見るのはやめ、脳を休めます。寝る1時間前にお風呂に入り、ベットに入るまでリラックスして過ごしてください。クラシックなど静かな音楽を聴いたり、読書するのがおすすめです。
午前中の太陽を浴びるとセロトニンというホルモンを生成しますが、セロトニンは夜になると睡眠導入作用のあるメラトニンに変わるもの。早起きして朝の太陽を浴びることで、睡眠のリズムを整えることができます。
6.頭皮マッサージ
頭皮の血行が悪いと必要な栄養や酸素がうまく行き渡らず、トラブルを起こしやすくなります。頭皮マッサージで血行を促進することで代謝が良くなり、肌のターンオーバーも正常化。乾燥や炎症などのトラブルが改善しやすくなるでしょう。かゆいときもかかずにマッサージすることでかゆみを抑えることができるので、ぜひ試してみてください。
頭皮マッサージは指の腹でゆっくり、円を描くようにするのが基本です。シャンプー前にオイルを使って行えば、頭皮の乾燥対策にもなり、一石二鳥になります。
頭皮マッサージの動画をご紹介しますので、参考にしてくださいね!
頭皮マッサージは頭皮のかゆみだけでなく、顔のしわやたるみの予防・改善になり、美容効果が高いもの。ぜひ毎日の習慣にしてください!
まとめ
頭皮のかゆみについて、原因と対策を中心にお伝えしました。頭皮がかゆいとそればかり気になり、かいてしまうことでスタイリングも台無しになります。オシャレの妨げになりますよね。
悪化して湿疹を引き起こしたら、髪の成長にも影響してくるもの。早い対策が必要です。シャンプーの見直しや頭皮の保湿、食事の改善など、すぐにできることはたくさんあるので、ぜひ取り組んでみてください!