ワキガを手術で治療する方法はいろいろあります。大別すると傷跡が残らない非侵襲性手術と傷跡が残ってしまうがかなり確実な侵襲性手術があります。
侵襲性と非侵襲性のどちらを選ぶか、さらにいろいろある施術のどれを選ぶかは、医師の助言もありますが、最終的には患者の意志で決まります。
脇の下にはっきりとした傷跡が残る侵襲性手術は、非侵襲性のそれより確実にワキガの根源を除去します。
どうしても術後の傷跡がいやだという人は、完治あるいは完治に近いことは保証できないが傷跡はほとんど目立たない非侵襲性手術を選ぶことができます。
ここで言うレーザー手術は、マイクロレーザー法が発達して、傷跡は全く気にならず、ダウンタイムも少ないです。問題は保険が適用外の病院が多く、保険(3割負担)のきく数万円単位の侵襲性手術に対して、数十万円と高くなることでしょう。
そのレーザー治療についての費用またはメリット・デメリットをまとめてみました。
目次
レーザー治療は非侵襲性手術の1つ 非侵襲性と侵襲性手術はどんなものがある?!
傷跡が残らない非侵襲性手術は次のようなものがあります。
- レーザー治療
- 超音波治療
- ポトックス注入法(注射)
- 電気凝固法と電気分解法
はっきりとした傷跡が残る侵襲性手術は以下のようなものです。
- 皮下組織吸引法療
- 皮下組織削除法
- 皮下組織そうは(掻爬)法
- 切除法
- せんじょ(剪除)法
レーザー治療は傷跡を残さないため人気があります。
レーザー治療は毛根につながるアポクリン腺をレーザー照射で破壊していきますが、アポクリン腺をすべて根絶するのは難しいことです。
アポクリン腺は再生能力が強いことは知っていますね。残ったアポクリン腺が再生して、ワキガが再発する恐れがつきまといます。
ですから、レーザー治療は臭いを軽減するのが狙いとなり、根治を期待してはいけません。
レーザー治療は、対象となる照射部位が少ない方が治療の効果(確率)が高まりますので、軽度もしくは中程度までのワキガの治療に向いていると言えます。ここではレーザー治療によるワキガ治療のすべて、特にその功罪について見ていきましょう。
レーザー治療は傷跡は残さないとしても臭いは100%消すことはできません
レーザー治療は、メスを使わず、直径1ミリ以下のカニューレという管状の医療器具を挿入して、毛穴に沿って存在するアポクリン腺にレーザーを照射してアポクリ腺を焼却(医学用語では焼灼と言います)する施術です。カニューレは細いですが、挿入の跡は僅かに残ります。
しかし、この跡は時間の経過とともに消えていきます。
治療効果は高いのですが、患部を直視して行う侵襲性手術と違って、ワキガの臭いを100%根治することは望めません。
と言うことで、レーザー治療の最大のデメリットは、完全にアポクリン腺を焼却することは難しく、やがてワキガを再発する可能性が残ることです。
レーザー治療はワキガの進行程度によって、3回から5回に分けて実施され1回の治療は30分ほど。
短時間で済みますし、施術中は部分麻酔を施しますから痛みはありません。
術後安静の必要はなく、術後の痛みを感じることはまずなく、翌日から日常の生活に戻れます。レーザー治療は手軽に受けられます。日帰りはもちろん普段の生活に支障が全くないのが強みですね!
腫れやむくみ、アザなどができやすく、日常活動が制限されるなど、手術前の生活に戻れるまでの時間をダウンタイムと言いますが、レーザー治療ではこのダウンタイムは、個人差はありますが、ほとんど感じられません。安心して治療を受けられます。
レーザー治療以外に傷跡を残さずワキガ手術するならポトックス注射がおすすめ?!
顔のしわやたるみを解消する療法にポトックス注射が知られています。
レーザー治療とこのポトックス注射療法とは実は功罪がよく似ています。
ポトックスは、ボツリヌス菌から抽出されたたんぱく質の1種で、それが筋肉をリラックスさせます。
しわやたるみに適度な緊張を生み出し、治療効果が上がります。
ですから、ポトックスを汗腺に注射すると、多汗症の予防に効果を発揮します。
レーザー治療がワキガの臭い消しを目的とするのに対して、ポトックス注射は汗かきの症状を和らげて、臭いの発散を抑えるのが目的になります。ダウンタイムや痛みがないなど、ほかの功罪はほぼ同じです。
レーザー治療と超音波吸引法の違い
超音波吸引法は超音波治療の1つです。脇の下に数ミリの穴を開けて、一定の周波数の超音波でアポクリン腺を破壊する施術です。傷跡もそれと気づかないほど残らず、ダウンタイムもほとんどありません。
しかし、超音波法は汗腺を破壊するだけでなく、周辺の組織も焼いてしまって、水腫などの症状が出ることがあります。さらに吸引が不十分で、アポクリン腺が残って増殖する症例があって、単独の療法としては不十分であることが分かってきました。
吸引法が適用された当初に期待されたほどの効果はなく、レーザー治療との効果の差はほとんどないと言えるでしょう。