漢方は本当にわきがのにおいを消すのでしょうか?
体温を調節する為に私達の体は汗をかいています。スポーツをしたり入浴をすると、見た目にも「汗をかいている」と感じますが、特に何もしないのにダラダラと流れ落ちるような汗は体の異変の証拠です。
脂汗や更年期のホットフラッシュによる汗のように「何かの原因により汗をかく」と病院で診察を受けますが、それ以外はあまり注意をして汗をチェックする事もありません。
西洋医学では、あまり汗を病気と直結して考えませんが東洋医学では汗の出方は体の不調のサインとして考えています。漢方薬は、人間本来の力を引き出し健康にする事で病気になりにくい体質にする事を目的としています。
多汗症治療では漢方薬を使用するクリニックもあるようですが、わきがに関しては「漢方薬が効くらしい」とは耳にするものの実際に治療に使われているようなことは少ないようです。本当にわきが体質は漢方薬で改善ができるのか、漢方薬の役割を含めて解説していきます。
目次
わきがのにおいを消すのは漢方薬ではできない
西洋医学で使用する薬は、ウィルスを退治したり免疫をつける事で原因に直接働きかけて治してくれます。即効性もあり、短期間の服用で改善されるものが多いです。
漢方薬は自然の生薬ですから、血行を促したり毒素を排出する事で体本来の機能を正常化し、自分の持っている病気への耐性を強めて改善していきます。原因がはっきりしないものは、体力や体質に合わせて漢方を処方し飲み続ける事で体を元気にしてくれます。
漢方ではにおいを消すのではなく、発汗のメカニズムを正常にする事や老廃物や水分の循環を良くすることで、アポクリン腺の汗を軽減していく目的で使われています。
わきがのにおいを消す力は漢方薬にはありませんので、生活習慣や食生活の見直しを含めて漢方薬を利用するのが良いでしょう。
わきがに効果があると言われている漢方薬について
わきがの人は、通常の人よりも汗をかきやすい人が多いので、発汗を抑える漢方薬が有効であると考えられています。個人の体質によっても、処方は異なるのであくまでも参考にしてみましょう。
発汗をコントロールする漢方薬
黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)
虚弱体質で胃腸の調子が悪く、風邪をひきやすいなど虚血の人に使われる漢方薬です。体の冷えを改善し、血液の循環を良くしながら肌を引き締め汗をかきにくい状態にする漢方薬です。
黄耆(おうぎ)が汗腺のしまりを良くすることでアポクリン腺からの発汗を抑える効果が期待されています。
防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)
消化吸収を高めると共に、余分な水分が体内に残らないように排出させる効能があります。
胃腸が弱い人は、水分の代謝も悪くなっていますので「むくみ」が起きやすくなってしまいます。
むくみから肥満になっている人にも良く処方される漢方薬です。
防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)
気血のめぐりが悪く、疲れやすくヤル気がでない。病後や術後の体力回復に処方される漢方薬です。血の巡ぐりを改善することで、全身の力を生み出しにおい物質を排除できる体にしていきます。血液が正常化すれば、発汗リズムも安定させることができるのです。
局部的な多汗症に効果的な漢方薬
わきがの人が全て多汗症ではありませんが、比較的汗が多いことから併発している事が多いようです。わきがである悩みから、ストレスを抱えてしまい精神的発汗に繋がり局部的な多汗症になってしまうのではないかと考えられています。
柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
体力全身の倦怠感や胃腸が弱い人で汗をかきやすい人に処方されます。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
疲労感が強い神経質で顔や脇に汗をかきやすい人に使われます。
漢方薬はわきがの即効性があるものではありません
漢方薬は、飲んだからすぐに効果が現れるのではなく調子を整えることで様々な症状を抑えていきます。わきがや多汗症に対しても、原因から起きてしまう不快な症状を緩和しながら体を元気にしてくれるので「漢方薬でわきがが治る」のではなく体質改善することによって健康な体にする目的があるのです。
西洋薬と違い、体質によって漢方が異なるのでドラックストア購入するよりも漢方専門店で、自分に合った漢方を処方してもらうのが一番良いのです。また治療をしている病院で漢方薬による治療をしているのであれば、医師と相談して処方してもらう方法もあります。
漢方薬の効果を高し、しっかりと自分の体質を変えていくには生活習慣を見直が大切です。バランスの取れた食生活に良質の睡眠、自分の体を大切にすることによって体内が徐々に活性化し、漢方薬の効果があらわれてきます。
体の血液を入れ替えて正常にする為には約1か月が必要ですから、ちょっと飲んだからわきがに効果があらわれたり、発汗がおさまるわけではありません。じっくりと取り組み、体質を改善すれば効果が長く持続するのが漢方薬の特徴でもありますので、デオドラント剤と併用し内外からわきが対策をすすめていくことが大切ではないでしょうか。
食事と漢方薬で体を元気にすること
日本人の食事は、玄米や野菜海藻類が中心ですから、欧米人から比べると体臭も少ないのですが、食文化が欧米化したことから動物性タンパク質の摂取が多くなりました。体を健康に保つ為には、肉や脂質も大切ですしそれをすべて排除してしまうのは栄養に偏りが出てしまいます。
和食ばかり食べていれば、良いのではなく「食事に内容と栄養のバランスがしっかり考えられているのか」ということが大切なのです。和食が良いからと、野菜ばかりを食べていてはタンパク質が少なく、体が元気になりません。
和食にしろ、洋食にしろ栄養がしっかり摂れていないと意味がないのです。
偏食を改善し、色んな食材を使って工夫することで漢方薬の力を最大限に引きだすことができますしわきがの原因を生み出さないようにもしていけます。漢方薬を上手に使い、生活の質を向上していけばゆるやかですが効果があらわれていきます。
漢方薬と一緒にデオドラント剤もわきがに適したものを使いましょう
漢方薬は体の内部から働きかけてくれますが、わきがのにおいを直接抑えてくれるのはデオドラント剤です。
市販にも消臭効果の高いものはありますが、強いわきが臭には効果があまり感じる事ができなかったり、乱用することで肌の乾燥をひき起こしてしまい使い続けることができなくなってしまうことがあります。
詳しくはこちら
→ワキガ対策に薬局・ドラックストアの市販デオドラントは効かない!?
どんなに清潔にしていても、暫くするとにおいが感じられるようになるとデオドラント剤は無くてはならないものになります。わきがをしっかり改善できるような、デオドラント剤でなくては使用する意味がありませんし、長期的に使って肌に優しく消臭効果の持続性もあることが条件になります。
べたつくわきがの汗を抑え、においの原因菌の繁殖を抑えながら肌を正常な状態にキープするには刺激がない薬用のデオドラントクリームがおすすめです。冷却して一時的な制汗や消臭ではなく、肌の奥に浸透して殺菌と抗菌ができる薬用クリームがあれば、漢方薬で体質を改善しながらじっくりとわきがを治していくことができます。
男女共に使用できるクリアネオや、女性向けのラポマインやクリアネオなど、高性能でわきが臭をシャットアウトできるものがたくさんありますので漢方薬と併用して気になるわきがのにおい対策をしていきましょう。
体質的なわきがは、じっくりと向き合って改善していくのが一番ですし、良いデオドラントクリームがあれば漢方薬の効果があらわれるまで悶々と過ごすこともなくなります。
どちらかを選ぶのではなく、薬用クリームはわきがに人にとってはケアの1つとして長く付き合っていけるものを探して頂きたいのです。各クリームの使用感などは、別記事で紹介していますので比較してより自分が使いたいものを選んでください。