CATEGORY 加齢臭の原因

加齢臭は本当にオヤジ臭?

加齢臭は、ある大手化粧品会社が2000年に発見した「ノネナール」という物質が発する臭いです。

その成分は青臭さや脂肪臭のある化学物質、不飽和アルデヒドです。「加齢臭」は、化粧品会社が付けた名前です。不飽和アルデヒドは、アポクリン腺など、体内の汗腺の1つである皮脂腺から出る脂肪酸が酸化、発酵して生成した物質です。加齢臭は年齢とともに体から排出されやすくなる、脂質が酸化した際に発する臭いということになります。

加齢臭は男女ともに発生しますから、必ずしもひとまとめに「オヤジ臭」と呼ぶことはできません。ただ、女性はホルモンの関係から、ノネナールの発生量は比較的少ないことは確かです。

加齢臭はいろいろな臭いの集合

ライフサイクルが乱れたり、偏食したり、高血圧が原因とされる体臭は、メタボ臭と言われます。

また、肝機能が弱ったり、ストレスで起きる免疫機能の低下が原因となる「疲労臭」もあります。これらの臭いが重なり合って,あの独特の加齢臭が発生しています。

独特な臭いと言えば、加齢臭は30代ぐらいから出る、使い込んで酸化した「油っぽい臭い」から、40代、50代には「青臭い」「使い古したポマード臭」などへと変化します。人によっては蝋のような臭いとか、古本の臭いとさまざまです。加齢臭があるかどうか確かめる簡単な方法は、耳上の後ろのへこんだ部位や鼻の両脇を、指でこすってかいでみる時の臭いがそれです。

加齢臭は顔から背中まで随所で発生

加齢臭は皮膚腺がたくさん集まった部位に特に集中して現れます。首より上部では頭、耳の後ろ、鼻の両脇など、また首より下では特に脇の下、胸や背中です。脇の下には、エクリン腺、アポクリン腺そして皮脂腺が集まっていますが、アポクリン腺が出すワキガと皮脂腺から出る加齢臭は直接の関係はありません。

加齢臭はほかの臭いと混じり合うと、本当に嫌われそうな異臭になります。そうした加齢臭と因果関係のありそうな臭いは、タバコ、二日酔い、汗やワキガ、口臭など。

加齢臭対策は1にも2にも、例えばノネナールなどデオドラント系ソープで体を良く洗い、下着から上着まで、身だしなみを良くすることです。

女性の方が加齢臭がきついって本当?

女性は、女性ホルモンが減り始める40代ぐらいから、加齢臭が気になり始めます。

原因物質のノネナールは皮脂腺から発生しますが、これまでは皮脂分泌を抑える役割を果たしてきた女性ホルモンが減ることで、皮脂の分泌量が増えてくる訳です。

男性の場合は60代以降に、男性ホルモンの分泌量や皮脂量が減って、加齢臭が次第に弱まっていきます。

女性は更年期を過ぎると、女性ホルモンが減って、反比例して皮脂腺が抑制されて、加齢臭が強まっていくことは確かです。ただし、女性は男性はほとんどしないスキンケアや香水が、加齢臭をマスキングします。

女性ホルモンが体臭をコントロール

女性ホルモンが加齢臭を左右しているとなれば、ホルモンを活性化して、長持ちしてもらいましょう。

それには漢方薬やハーブを摂取するのが濃いか的で、最後にはホルモン療法もあります。

その前にまず食習慣の改善が理想的です。動物性タンパク質を抑え、植物性タンパク質を増やしましょう。
納豆や豆腐をよく食べて、加齢臭を軽減することです。

女性ホルモンに効く漢方

女性ホルモンに効果のある漢方や生薬は、トウキク(当帰)、シャクヤク(芍薬)、ジオウ(地黄)、センキュウ(川芎)、ケイシ(桂枝)などが知られています。

いずれも女性の生理的不調を直す薬効があり、血の巡りを良くして、貧血を抑え、月経不順や月経痛を癒やし、体温を温め、冷えを抑えます。漢方は女性ホルモンの活性化に効果を上げます。

ホルモン療法は最後の手段

更年期障害に用いる最後の手段が、ホルモン補充療法(HRT)です。これは専ら更年期症状そのものがひどい女性を対象にする療法です。

更年期障害がきつい女性は,医師の診断で女性ホルモン(エストロゲン)などが基準値より低い場合に治療してもらえます。加齢臭体質の治療のためこの療法を受ける女性は余りありませんが、加齢臭がきつい女性は、医師に相談してみてはどうでしょうか・・・